天声人語 20151204 「はやぶさ2」の長い旅

来源:互联网 发布:高端黑 知乎 编辑:程序博客网 时间:2024/04/24 00:32
リンゴが木から落ちるのを見てニュートンは万有引力を発見した。名高い話ながら、真偽は怪しいらしい。しかし当方、引力(重力)と聞いて思い浮かぶのは、そんな伝説ぐらいしかない▼数式には弱いから、昨日の「スイングバイ」には感嘆するばかりだ。探査機「はやぶさ2」が、目的の小惑星に向かうべく、地球の重力を利用ログイン前の続きして加速しながら針路を変えた。緻密(ちみつ)な軌道計算と操作で地球に接近し、勢いをつけて旅立つという試みである▼ちょうど1年前に打ち上げられ、地球と同じような軌道で回っていた。いわば母なる地球が、「さあ頑張って」と子どものお尻をぽんと押して送り出したイメージか。小惑星「リュウグウ」には、2年半かけて到達する予定だ▼スイングバイは、1977年に打ち上げられた米国の探査機ボイジャー1号で注目された。はるか木星で行い、もらった勢いで一人旅を続けている。太陽圏の果てを越えて、最も遠くに達した人工物となっている▼にわか勉強で開いた本がニュートンの功績に触れていた。壮大な天体の運行も、リンゴが地面に落ちるのも、同じ法則に支配されていると発見した。これで、別の世界と思われていた地上と天界はつながったという。天才は偉大なり、である▼歌をひとつ思い出す。〈引力のやさしき日なり黒土に輪をひろげゆく銀杏(いちょう)の落ち葉〉大西民子。スイングバイも落葉も、宇宙の真理で結びつくのであろう。枯れ葉の街から夜空を仰いで、長い旅にエールを送る。
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