新人SEの心得をまじめに論じる

来源:互联网 发布:淘宝教育 编辑:程序博客网 时间:2024/05/19 18:44
 SEを目指している新入社員の皆さん、あるいはSEとしてはまだ初心者の皆さんに向けて、将来ユーザーから頼りにされるSEになるために必要な知識やスキル、あるいは意気込みも含めて、一人の先輩として話してみたい。

 最初に断っておくと、SEに必要な知識やスキルは非常に広範にわたるため、すべてをすぐに身につけることは不可能である。これからさまざまな仕事 を全力で遂行していく中で、いろいろな事柄を理解し、そこから学び、そして知識・スキルを高めていく。その過程では、個別具体的なスキルを身に付けること ももちろん重要であるが、物事のとらえ方、仕事の仕方、など、より本質的で普遍的なことを最初にきちんと身に付けることの方がより重要である。

 初回は、まず仕事に取り組む姿勢について説明しよう。


与えられた仕事は全力で取り組み、自ら仕事を取りにいくこと

 社会人になった最初のうちは、上司や先輩から仕事を与えられる。つまり、最初から自分が望むような仕事をできるわけではなく、あまり好きではない 仕事ややりたくない仕事をやらざるを得ないことも多い。わたしも社会人になりたてのころに限っていえば、自分がやりたい仕事をさせてもらった記憶はあまり ない。

 しかし、どのような仕事であっても、まずは全力で取り組むことが重要である。全力で仕事をする中からさまざまなことが学ぶことができるし、将来仕 事で苦しい立場になっても、何とか耐え忍ぶ粘りや実力もついてくる。また、嫌な仕事にも全力で取り組み、結果を出していけば、必ず周囲からの評価も上がっ てくる。不思議なことに、そのうちに重要な仕事も回ってくるのである。

 特に、嫌な仕事ほど、上司はその取り組み方、成果に注目しているものである。私自身、最初はマニュアルの作成や翻訳など、好きでもない仕事を押し 付けられたが、その仕事をまじめにこなすうちに、マニュアルの重要さや品質、日米の考え方の違いなど、結構いろいろなことを学んだし、先輩に褒められたり もした。どんな仕事であっても、自分の将来に役立つと念じて、全力で取り組むことである。

 次にある程度仕事のコツがつかめてきたら、自ら仕事を見つけて取り組むことである。例えば、外資系企業の多くで共通している認識として、「セルフ スターター(Self-Starter)」という言葉がある。言われてから仕事をするのではなく、自分から自分のやるべき仕事を考え、見つけ出して、上司 や先輩から言われる前にその仕事に取り組む姿勢のことを意味する。この姿勢があれば、外資系企業に限らず、どんな厳しい企業や組織でも十分通用するだろ う。


答えを聞く前に自分の頭で考える

 問題解決に向けた考え方や答えの導き方ではなく、すぐに答えを教えてしまう日本の教育が悪いのかもしれないが、仕事の相談にくる際に、すぐに答え を求める人が多い。あるいは、上司に聞いたり、ビジネス書を読んだり、経験を積んだりすれば、正解が分かると信じている人もいる。

 こういった人たちは非常に不幸である。ビジネスの世界や仕事をする上では、簡単に答えが見つかることはない。では、どうすればよいか? 

 経営者や管理職、さらには上司や先輩に至るまで、仕事ができるといわれている人は皆、自分の頭で答え(と思われるもの=仮説)を考え、それに基づ いて行動しているのである。皆さんも自分の頭で考え、答えや仮説を導き出す癖を身に付けてほしい。わたしも常々部下や後輩には、相談に来るときには、必ず 自分の考えや答えを用意してから来なさい、と言い続けている。安易に答えを求めるのではなく、自ら見つける努力が重要である。

 そして、なぜその答え(仮説)を導き出したかを説明できるようにしよう。また、答えを見つける場合など、物事を判断するときには、自分で十分に考 え、自分で判断し、そして、自分で判断したことに責任を持つことである。その際には、できる限り情報を集め、時にはほかの人の意見を聞くことは言うまでも ない。そして、もし、自分の判断が間違っていたとしても、「上司に言われたから……」とか「○○書に書いてあったから……」などと言い訳をしないようにし よう。何事も他人のせいにするような人は成長しない。


上司や先輩と十分にコミュニケーションする

 SE希望の人には、人とのコミュニケーションが苦手という人も多いが、仕事をしていく上で、コミュニケーションは最も重要なことであり、SEに とっても必要不可欠な能力である。コミュニケーション力は、訓練で十分に向上させることができる。コミュニケーションが苦手な人でも、新入社員のときから 地道に取り組んでいけば、必ず上達するので、あせらず頑張ってほしい。

 ほうれんそう(報・連・相)といわれるように、コミュニケーションの第一歩は、上司や先輩への報告である。相手から求められる前に報告する癖をつ けよう。特に悪い話や自分に都合の良くない話ほど、早め早めに報告すべきである。あとは、教えを請うという形で、上司や先輩にいろいろ相談したり、質問し たりすると良い。

 その際には、「なぜ?」や「どうして?」を連発して、答えでなく、その答えに至ったプロセスを理解するようにしよう。相談であれ、質問であれ、人 から頼りにされたり、教えを求められたりして、気分が悪い人はいない。親身になって相談に乗ってくれるだろうし、いざというときにも助けてくれるだろう。

さまざまな視点で物事を見て本質をとらえる努力をすること

 わたしはいろいろな立場や職業の人と仕事をしてきたが、物事にすぐ白黒を付けて二元論的にとらえたり、結論を急いだりする人が多い気がする。多くの場合において、「物事をさまざまな視点から見る訓練ができていないからではないか」と考えてしまうことが多い。

 SEはさまざまなお客様と仕事をしていくことになり、いろいろな立場やバックグランドを持った人とコミュニケーションし、解決策を検討していかな ければならない。特にお客様とのコミュニケーションでは「相手の立場」に立ったコミュニケーションが重要になる。だが、どんなに頑張っても自分と相手は違 うので、完全に相手の立場に立つことはできない。

 したがって、こういった場面に遭遇する前に相手の立場に立つシミュレーションを行っておく必要がある。そのためには、常日ごろから、自分と違う考 え方やものの見方を、できる限り頭の中に入れて蓄えておくことである。この蓄えがあれば、物事を多面的に見ることができ、さまざまなお客様や上司とのコ ミュニケーションがうまくいくようになる。

 将来、優秀なSEとして活躍するためには、物事の本質をきちんととらえることが非常に重要にある。これができないと、日本版SOX法や Web2.0などと一見新しそうな概念や言葉が出てくるたびに、それに振り回されて自らを見失ってしまう。物事の表面だけを見るのではなく、その下に隠さ れたものを見極める訓練を今から続けておこう。

 そのためには、先ほど話したように、物事をさまざまな視点から見るように心がけることと、「なぜか?」を問い続けることである。本質を見極める訓 練の一つとして、上司が話した内容や自分が報告したい内容などを、できる限りシンプルな文章でまとめるといい。ワープロやプレゼンテーションソフトのアウ トラインプロセッサを使うと便利だろう。アウトラインプロセッサを使うことで、物事の順序や上下関係を整理し、枝葉を落とし、何が重要なことなのかを考え ようと頭を使うはずである。

 まだまだ書きたいことはあるが、皆さんに覚えておいてほしい心構えとして、特に重要と思われるものに絞って書いた。ここまで読み進めてきて、どの ように感じたであろうか。優秀なSEになるには大変な努力が必要だと思われたかもしれない。でも、心配する必要はない。先輩SEもみな、毎日研鑽を続けな がら、お客様とともに仕事を遂行しているのである。恐れずに頑張ってほしい。

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