日经社説 20141219 子ども標的の残虐テロを憂う

来源:互联网 发布:学it有前途吗 编辑:程序博客网 时间:2024/05/19 13:25

極めて残虐で痛ましい事件である。パキスタン北西部のペシャワルで武装集団が学校を襲い、生徒ら140人以上が犠牲になった。罪のない子どもを標的にした卑劣なテロは断じて許されない。

 武装集団は軍関係の学校を襲撃し、自動小銃などで無差別に発砲した。また治安部隊との銃撃戦で生徒たちを「人間の盾」にしたという。当初から人質でなく、殺害目的の残忍な犯行だったようだ。

 事件を起こしたのは、過激派のイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」だ。イスラム教の厳格な戒律を重んじ、現政権や軍を敵視してこれまでもテロを繰り返してきた。

 政権側も対話路線を転換し、大規模な掃討作戦を続けていた。今回のテロはその報復だとされる。シャリフ首相は事態を重く受け止め、過激派の掃討を強化する姿勢を示した。残虐なテロリストの排除は当然だが、報復テロの続発や治安悪化への対応も怠れない。

 TTPはアフガニスタンとの国境地帯に拠点を置く。アフガニスタンでは米軍などが年末までに戦闘任務を終える予定で、地域の不安定化が懸念される。テロの撲滅を含め、国際社会全体で治安対策を考えていく必要があろう。

 子どもや女性の教育の権利を訴え、今年のノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんは事件を受け、「私の弟、妹である子どもたちを悼みたい。私たちは決して屈しない」と表明した。マララさんが2年前、襲撃で重傷を負ったのもTTPの犯行だった。

 パキスタンに限らず、世界では罪のない子どもが犠牲になるテロや紛争が頻発している。

 国連児童基金(ユニセフ)によると、内戦の続くシリアでは1~9月に35回以上も学校が襲われ、105人の子どもが殺された。イラクでは今年、700人以上の子どもが傷つけられたり殺害されたりした。今年は子どもたちにとって「恐怖と失望の年」という。パキスタンのテロはそれをまた裏付けた。大人たちの責任は重い

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