社説 20150409 日銀異次元緩和 「物価2%」の達成を焦るな

来源:互联网 发布:湖南省地质测绘院 知乎 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 19:21

日銀が2013年4月に打ち出した「異次元の金融緩和」は、3年目に入った。

 緩和策の副作用を抑えつつ、いかにデフレ脱却を果たすのか。日銀は、難しい政策運営を迫られよう。

 日銀は金融政策決定会合で、年80兆円のペースで資金供給量を増やしている現行の金融政策を維持する方針を決めた。

 異次元緩和は、行き過ぎた円高を是正し、株価の大幅な上昇をもたらした。景気回復に貢献している金融緩和策を継続するのは、妥当な判断である。

 消費者物価の上昇率を「2年程度で2%」とする物価目標の達成は道半ばだ。2年前にマイナスだった上昇率は14年4月、プラス1・5%まで回復したが、消費増税後の消費低迷や急激な原油安で、急ブレーキがかかった。

 今年2月には、消費増税の押し上げ分を除いて0%に落ち込み、民間では、目標の早期実現は極めて困難とする見方が有力だ。

 それでも、黒田東彦総裁は記者会見で、予定通り達成できるという従来の考えを繰り返した。総裁がデフレ脱却への断固たる姿勢を示し続けることで、消費者や企業の期待感を薄れさせないようにする狙いは理解できる。

 ただ、目標達成の時期は「15年度を中心とする期間」とし、2年前より幅を持たせている。当初のシナリオに大きな狂いが生じた苦しさもにじむ。

 物価の行方や、消費者、企業心理の動向をどう予想し、政策対応していくのか。市場との丁寧な対話の重要さが増している。

 日銀が昨年10月、意表をついて追加緩和策を打ち出した後、円安が急速に進み、輸入食品の値上がりによる家計の負担増など、金融緩和の負の側面が顕在化した。

 日銀が2%達成を焦り、機械的に追加緩和を繰り返すようだと、円安によるコスト高が「悪い物価上昇」を招き、景気を悪化させるリスクが、一段と高まろう。

 今春闘では昨年を上回る賃上げが相次いだ。当面は、こうした明るい動きが物価にどう波及していくか、見極めるべきだ。

 無論、デフレ脱却は日銀だけの責務ではない。政府は、潜在成長力の強化を目指し、新規ビジネスへの参入規制緩和など、構造改革を推進する必要がある。

 日銀は既に約270兆円の国債を保有している。中央銀行による財政赤字の穴埋めという誤解を受けないよう、政府が財政健全化に道筋をつけることも不可欠だ。

0 0
原创粉丝点击