日经社説 20150420 研究活力と不正防止の両立を

来源:互联网 发布:淘宝拍摄灯光布置 编辑:程序博客网 时间:2024/05/05 08:47

科学研究の不正に関する新しいガイドラインを、文部科学省が今月から実施した。研究者や学生に対する倫理教育の徹底、疑いが浮上した際に証拠となる試料の長期保管、不正の疑いに対する迅速な調査委員会の設置などを、大学など研究機関に求めている。

 研究論文の不正問題が相次いでいるだけに、大学などに管理責任を求めるのはやむを得ない面があろう。だが、管理ばかりが行き過ぎると研究現場を萎縮させ、自由な発想が生まれにくくなる。

 文科省や大学は、独創的な研究を生む環境づくりを最優先に考えてガイドラインを適切に運用すべきだ。不正防止はまず科学者の責任である。不正は科学に対する国民の信頼を失わせかねないとの危機感を持って、襟を正して研究に取り組んでもらいたい。

 論文の不正では理化学研究所のSTAP細胞騒ぎが目立ったが、他にも後を絶たない。東京大学では研究室ぐるみの不正が明るみに出て、3月末に3人の博士号を取り消すことになった。

 不正が近年とりわけ増えていると裏付けるデータはないが、理研や東大といった日本を代表する研究機関で起きていることは深刻に受けとめなくてはならない。

 背景には成果主義のまん延がある、と指摘する声がある。論文数など数値化された指標が研究資金の配分を左右するため、科学者が論文数を増やすことに奔走する傾向があるという。

 成果主義が悪いと一概には言えない。多くの成果を出す者が高く評価されるのは当然だ。ただ、論文で本来問われるべきは数ではなく質だ。また次代の科学者の育成を担う大学では教育が重視されなければならない。成果を測る尺度をより多角化するなど、研究評価のあり方をいま一度、考え直す必要があるのではないか。

 管理強化の取り組みは規模の小さな大学には相対的に重い負担になる。小さくともきらりと光る研究が失われないか心配だ。研究の多様性を確保する目配りも要る。

0 0
原创粉丝点击