社説 20150504 NPT会議 核軍縮と不拡散の覚悟を示せ

来源:互联网 发布:人防指挥所智能化软件 编辑:程序博客网 时间:2024/06/06 00:36

停滞する核軍縮を活性化し、不拡散体制の綻びを繕えるか。加盟国の覚悟と努力が問われる。

 5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が始まった。1か月近い会期を通じ、核軍縮・不拡散を前進させる意思を明確にすべきだ。

 1970年発効のNPTは、核保有国に削減努力を義務づける一方、非核保有国への拡散を禁じている。加盟国は190を超え、95年には無期限延長された。

 未加盟のインドやパキスタン、脱退表明した北朝鮮の核開発を阻止できず、限界も露呈した。未発効の核実験全面禁止条約(CTBT)、国際原子力機関(IAEA)の査察強化など、課題は多い。

 特に、今会議は、合意文書の採択のメドさえ立っていない。

 最大の要因は、計1万5000発以上の核弾頭を保有する米露の対立である。両国は、戦略核弾頭の配備上限を各1550発とすることを2010年に決めた。だが、米国のミサイル防衛網の欧州配備を巡り、関係は冷え切った。

 プーチン露大統領は「ロシアは偉大な核大国だ」と語り、クリミア危機では核戦力の準備も考えたという。クリミア半島への核兵器配備計画も取りざたされる。こうした独善的な姿勢では、非核保有国の理解と協力は得られまい。

 エジプトなど非同盟諸国は、一方的な不拡散義務の強化に反発する。中東諸国は、イスラエルやイランの核保有への懸念が強い。各国の利害が複雑に交錯し、新たな合意形成を困難にしている。

 広島県選出の岸田外相は演説で「被爆地の思いを胸に、核兵器のない世界に向けた取り組みを前進させる」と語った。各国指導者に広島・長崎訪問も呼びかけた。

 戦後70年の今年、日本は唯一の被爆国として、米露英仏中5か国の核戦力の透明性向上と削減を訴える立場にある。

 日本が看過できないのは、推定約250発を保有する中国が、実数を公表していないことだ。保有数の確定は軍縮の出発点となる。中国に情報公開を迫りたい。

 北朝鮮が核と弾道ミサイルの開発を着々と進めていることも脅威だ。日本は、米国など関係国と連携し、北朝鮮によるIAEAの査察の受け入れや、核開発の放棄を実現させねばならない。

 日本や豪州、カナダなど12非核保有国のグループは、核軍縮、不拡散、原子力平和利用のNPT3本柱の強化を求めている。核保有国と非同盟諸国の橋渡し役を務めつつ、具体化を図りたい。

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