日经社説 20150608 「脱水銀」体制づくりを早く

来源:互联网 发布:横截面数据用什么回归 编辑:程序博客网 时间:2024/04/27 16:12

水銀を使った製品の製造や使用、輸出入などを規制する「水俣条約」の締結に向け国内体制を早期に整えるべきだ。日本は有機水銀による水俣病を経験した。その重い教訓を生かし世界の「脱水銀」の動きを先導する責任がある。

 水銀は体温計や電池など身近な製品に使われてきたが、こうした製品を適切に分別し処分しないと環境中に水銀が漏れ出る。

 世界的には石炭火力発電や小規模の金採掘なども水銀の排出源になっている。水銀は分解して消えることがないため産業活動を通じて排出された水銀が自然界に広がり蓄積し続けている。

 水俣条約は一定量以上の水銀を含む製品の製造や輸出入を2020年以降、原則として禁止する。石炭火力や工場からの排出も抑制する。約140カ国・地域の代表が集まって、13年に熊本市と水俣市で開いた会議で採択した。早ければ年内にも発効する。

 この条約を日本が締結するには、国会で関連法案を成立させたうえ政省令の改正が要る。条約発効に間に合わせたい。

 国内規制は条約が求める内容より厳格になる。規制対象の製品の製造・使用を20年より早く前倒しで禁止する。対象製品の基準も条約より厳しくする。前向きな取り組みを評価したい。

 課題もいくつかある。日本は国内で回収し使い道がない水銀を途上国に輸出してきた。輸出規制によって国内で管理しなくてはならない水銀が増えるとみられる。安全な処分技術が必要になる。

 大気への排出について、鉄鋼製造など一部の産業は条約の対象外だ。排出抑制は業界の自主的な努力に委ねられる。適正な基準を決め積極的に対応してもらいたい。

 水銀を含む製品であることを示す表示法も企業努力にまかされる。消費者が気がつかないで捨てることがないよう適切な情報提供が必要だ。また分別回収をしている市町村は約7割とされる。分別回収の徹底と消費者が使いやすい仕組みづくりも課題だ。

0 0
原创粉丝点击