日经社説 20150727 補正予算を含め歳出を厳しく管理せよ

来源:互联网 发布:山特维克刀具数据 编辑:程序博客网 时间:2024/05/21 13:56

政府による2016年度予算づくりが始まった。

 20年度までの財政健全化計画の初年度となる予算は、不要不急の事業を思い切って削り込み、歳出全体をスリムにすべきだ。

 各省の予算要求のルールとなる概算要求基準は、新味のない内容となった。

 公共事業など裁量的経費の1割を削減する。残りの金額の3割までを「新しい日本のための優先課題推進枠」という特別枠で要望できるようにするという。

 先進国で最悪の財政事情を踏まえれば、限られた予算は効率よく使わなければならない。費用対効果の高い予算に重点配分しようとするのは当然だ。

 しかし、成長戦略に沿った政策という大義名分で、旧来型の公共事業や補助金が特別枠に紛れ込む可能性はある。その中身は厳しく精査する必要がある。

 最大の政策経費である社会保障費は、前年度当初予算比で6700億円の増額要求を認めた。財務省は最終的に増額幅を5000億円程度に抑え込みたい考えだ。

 高齢化で膨らむ一方の社会保障費の効率化は急務だ。焦点の診療報酬では、薬の公定価格である薬価を大きく削り込んでほしい。さらに、医師らの技術料にあたる本体部分を含む報酬全体の引き下げもためらうべきではない。

 大事なのは、当初予算だけでなく補正予算を含めて財政規律を強化することだ。

 いくら年度当初予算の歳出の伸びを抑えても、その後で組む補正予算で歳出を膨らませてはバケツに穴があいているようなものだ。政府は補正予算を含め、毎年の歳出総額を厳しく管理する仕組みを導入することを検討すべきだ。

 経済の回復を背景にここ数年、決算ベースでみた国の税収は予算と比べて上振れした。しかし、これまではその一部か、すべてを補正予算での歳出増加の財源に使ってきた。

 安倍晋三政権は財政健全化の方法として、経済成長による税収増加を重視している。ならばなおさらのこと、せっかく増えた税収は安易に歳出拡大に使うのではなく、新規国債の発行を減らすのに役立てるのが筋ではないか。

 日本の借金の対国内総生産(GDP)比率は、危機に直面しているギリシャより高い。政府はその現実を直視し、堅実な財政運営に努めなくてはならない。

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