日经社説 20150801 世界市場に挑む石油再編に

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石油元売り2位の出光興産と、同5位の昭和シェル石油が経営統合することで合意した。売上高で最大手のJXホールディングスに迫る石油会社が誕生する。

 縮小に向かう国内市場を見据えた決断である。経営統合を収益基盤を強化し、国内に閉じこもってきた日本の石油会社がグローバル市場に挑むための足がかりとしていくことが重要だ。

 出光は英蘭系メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルが持つ昭和シェルの株式33.3%を1691億円で取得して筆頭株主となる。その後、2016年をめどに経営を統合する。

 需要減少に伴う設備過剰への対処は素材産業に共通する課題だ。中でも石油産業は製鉄や化学などに比べて対応が遅れてきた。多数の元売り会社による過当競争が収益の悪化を招いている。

 アジアでは巨大な精製能力を持つ新鋭製油所が次々と完成し、日本の石油会社とのコスト競争力の差は開くばかりだ。昭和シェルの亀岡剛社長は記者会見で「国内にしっかりした収益基盤をつくり、世界に乗り出す」と述べた。その決意に期待したい。

 大切なのは追い詰められての経営統合に終わらせないことだ。2社で6カ所にある製油所を一体運営し、物流や販売の拠点を共通化して高める投資余力を、新興国市場の開拓に生かすことが重要だ。

 出光と昭和シェルの経営統合は、英蘭シェルの事業再構築と密接につながっている。シェルは石油開発分野を強化する一方、昭和シェルの株式を手放すことで日本での精製・販売事業から撤退する。

 米エクソンモービルも東燃ゼネラル石油の経営権を手放した。メジャーが相次いで利益率の低い日本市場に見切りをつける事実から目を背けるわけにはいかない。

 石油業界はJXと出光・昭和シェル連合の2強時代に入る。だが、出光の月岡隆社長は昭和シェルとの経営統合が業界再編の「最終形ではない」と言う。残された他社も重く受け止めるべきだろう。

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