社説 20150806 原爆忌 被爆地訪問で核軍縮に弾みを

来源:互联网 发布:windows dream scence 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 03:16

広島に原爆が投下されてから、6日で70年が経過した。長崎は9日に原爆忌を迎える。

 人類史上、初めて核兵器が使用されたあの日から長い歳月が流れ、被爆者の平均年齢は80歳を超えた。

 今や、広島、長崎への原爆投下の日付を知らない人が約7割を占める。NHKの世論調査の結果だ。被爆の記憶を語り継いでいく重要性は一段と増している。

 広島と長崎の式典には今回、米国のゴットムラー国務次官が参列する。ワシントンから高官が派遣されるのは初めてだ。

 松井一実・広島市長は平和宣言で、オバマ米大統領ら各国指導者に被爆地訪問を呼びかける。来春、日本で主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれ、広島は外相会合の会場となる。被爆地の実相に接する好機となろう。

 ワシントンで、広島、長崎両市などが主催する原爆展が20年ぶりに開かれている。原爆投下の時刻で止まった時計や、広島出身の画家、丸木位里、俊夫妻の「原爆の図」などが展示されている。

 20年前には、展示内容を巡る論争があった。原爆を投下した爆撃機「エノラ・ゲイ」と共に、被爆者の遺品を展示する企画に対し、退役軍人らが「全米兵への侮辱だ」と猛反発した。企画は頓挫し、遺品は別の催しで公開された。

 米国では、原爆投下で戦争終結が早まり、多数の米兵の命が救われた、という歴史観が根強い。

 近年、変化もうかがえる。

 米政府は、原爆を開発したマンハッタン計画の関連施設を国立歴史公園にする予定だ。そこに広島、長崎の被爆資料を展示する案が浮上している。原爆被害の実態を正確に伝えてほしいという両市の要望に配慮したものだ。

 世界には今なお、1万5000発以上の核弾頭が存在する。昨年、ウクライナのクリミア半島を編入したロシアのプーチン大統領は後に、「核戦力を戦闘態勢に置く準備があった」と述べた。

 中国は核戦力を増強している。今年5月には、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書案の作成過程で、世界の指導者や若者に被爆地訪問を呼びかける日本提案の記述を削除させた。

 中国は、日本が被害者の立場を取ろうとしていると非難した。核軍縮に歴史認識問題を絡めてはならないだろう。

 核兵器がもたらす惨状を世界に訴え、核軍縮や核不拡散に結びつける。それが唯一の被爆国である日本に課せられた使命だ。

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