日经春秋 20151009

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記録文学の傑作を世に送り出した作家の吉村昭さんは、新進だった30代のころ、芥川賞の受賞を誤って伝えられた経験を持つ。3度目の候補のときの話である。自宅で吉報を待つところへ事務局から「受賞が決まりました。おいでください」と電話があり、車に乗った。

▼しかし、暗転する。選考委員会は激論の末、いったんは吉村さんと宇能鴻一郎さんの2人の受賞を決めたが、念のため、病気で欠席した委員に連絡。この委員は宇能作品を推し、その結果、同時受賞はなくなったという。事務局が再度、吉村さんの自宅に電話したが、既に車中にいた。携帯電話のない1962年のことだ。

▼今年も下馬評は高かったにもかかわらず、村上春樹さんにノーベル文学賞の女神はほほ笑まず去った。こちらはくつがえりそうにない。ファンから失望の声が漏れるが、本人は最新刊の「職業としての小説家」で「何より大事なのは良き読者。どんな文学賞も読者に比べれば実質的な意味はない」と距離を置く姿勢も示す。

▼谷崎潤一郎、三島由紀夫ら名だたる巨星がノーベル賞候補だったという。しかし、賞を逸しても読者は去らなかった。吉村さんの作品も芥川賞とは関係なくそびえ立つ。「源氏物語」や「徒然草」は賞や栄誉とは無縁に、長年、幾多の読者に支えられてきた。村上さんにも、そんな伝統に連なる自負があるのかもしれない。

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