天声人語 20151018 「老益」に至るみち

来源:互联网 发布:软件项目实施报告 编辑:程序博客网 时间:2024/05/16 03:22
今どきインターンといえば、就業体験の学生のこと。しかし若き女性経営者のもとに配属されたのは、70歳の元サラリーマンだった。映画「マイ・インターン」で、ロバート・デニーロが渋く演じている▼最初は疎まれたものの、次第に会社に不可欠な存在になっていく。経営者の悩みに寄り添い、同僚たちに生活の助言をするログイン前の続き。話をよく聞き、決して目立とうとしない。願わくは、こんな格好いいおじいさんになれれば。職場で恋人までつくってしまうのは出来すぎとしても▼高齢者の社会への貢献を侮ってはいけない。そんな報告書を世界保健機関がまとめた。納税や消費はもちろん、お金では計れない役割を家族や地域で果たしている。だから「医療や介護など高齢者に使うお金は『コスト』ではなく、『投資』である」と。発想の転換を求めている▼日本は、手本になりうる。健康寿命を延ばそうと各地でがんばっているし、働くシニアも増えている。「日本の取り組みを世界に向け発信してほしい」とは、機関のチャン事務局長の言葉である▼もっとも良い見本ばかりではない。新国立競技場の建設計画をめぐる混乱では、「トップヘビー」が問題とされた。森喜朗元首相ら重鎮たちの存在が大きすぎることの弊害である▼どこの世界でも、大先輩に期待されるのは経験の重みだろう。しかし経験は、ときに傲慢(ごうまん)に転じる。「老害」なるどぎつい言い方に代わる言葉があるとすれば「老益」か。そこに至るには、謙虚さがいる。
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