日经春秋 20151209

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 「がっかりスポット」というのがある。誰もが名は知っているが、行ってみたら意外に地味だったという名所や旧跡のことだ。水木しげるさんの漫画の人物なら「フハッ」と吐息しかねない。JR京都駅から徒歩約20分の「羅生門(羅城門)跡」も相当ながっかり度だ。

▼住宅に囲まれた小公園のすべり台の横に石碑がぽつんと立つだけ。幅40メートル、高さ20メートル、二重の楼閣を誇ったという壮麗な表玄関は跡形もない。980年に暴風雨で倒れ、そのまま放置されたようだ。藤原道長は1023年に別の場所に寺を建立する際、羅生門の礎石を運ばせている。既に、土台がむきだしだったのだろう。

▼今年は、その地を舞台に芥川龍之介が王朝物「羅生門」を発表して、1世紀という。大修館書店の冊子「国語教室」にあった。日本のほぼ全ての高校生が教科書で読む「青春の教材」なのだが話は重い。飢え死にせぬために、女の死体から毛髪を抜いて売ることをよしとする老婆と、行き場のない下人の対話が山場である。

▼憤った下人は「では己(おれ)をも恨むまいな」と老婆の着物をはぎ、闇夜へ去った。生きるためと称する身勝手な論理に、自らの行動と言葉で反論し、一歩を踏み出したのだ。読み手の少年少女は、この場面に矛盾だらけの現実に対峙せねばならぬ、自分の将来像を重ねるだろうか。自立の意味をも問い、100年を経た名作だ。


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