天声人語 20151225 両陛下と戦争の悲しみ

来源:互联网 发布:暴风tv 直播软件 编辑:程序博客网 时间:2024/04/29 21:34
神奈川の三浦半島に「戦没船員の碑」がある。戦時中、多くの民間船が軍に徴用されて敵に沈められた。44年前、激しい雨の中での除幕式に、当時は皇太子ご夫妻だった天皇、皇后両陛下の姿があった▼美智子さまは歌を詠まれた。〈かく濡(ぬ)れて遺族らと祈る更(さら)にさらにひたぬれて君ら逝(ゆ)き給(たま)ひしかログイン前の続き〉。父母や妻子の名を呼びながら海に消えた人々への、痛切な哀悼がにじむ。同じ心痛を、天皇も分かち持たれていると知った▼82歳の誕生日を前に、民間の船員への思いを切々と述べられた。「輸送船を守るべき軍艦などもない状況下でも輸送業務に携わらなければならなかった船員の気持ちを本当に痛ましく思います」。犠牲者は6万人を超す▼戦後70年だった今年を、「様々な面で先の戦争のことを考えて過ごした1年」と振り返られた。そして「先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが、日本の将来にとって極めて大切なことと思います」。うなずいた方は多かろう▼両陛下は年明けに、先の戦争で激戦地となったフィリピンを訪問する。その戦場で死線をさまよった作家の大岡昇平は今日が命日だ。代表作の一つ『野火』の名高い一節が胸に浮かぶ。「戦争を知らない人間は、半分は子供である」▼戦後生まれの「半分子供」が、人口の8割を占める時代になった。不戦の歳月の賜(たまもの)だが、戦争を知らないことを知らなければ人は危ない。軽く見がちになる。学ぶ努力。考える姿勢。陛下の言葉を胸底にたたみたい。
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