日经春秋 20160225

来源:互联网 发布:易语言勒索病毒源码 编辑:程序博客网 时间:2024/06/06 03:53

香りが春を告げる。「東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花」。千年以上前の呼びかけに、いまも応えているのか。寒風の中で、次々に届く開花の知らせは香気を運んでくるようだ。作者、菅原道真公の忌日である今日、太宰府をはじめ各地の天満宮では大祭などが開かれる。

▼詩人で政治家だった道真公は右大臣に出世したが、陰謀により九州に流される。「流れゆく我は水屑(みくず)となりはてぬ君柵(しがらみ)となりてとどめよ」(我が君は柵となり私をとどめてください)。宇多天皇に切々と無実を訴えたという。柵は杭(くい)や竹などを使い川をせき止めるもの。事の流れを滞らせ身動きをとれなくする意味もある。

▼シャープの液晶事業も柵なのかもしれない。利益を生み出す柵となって世界市場への道を開いた。だが、やがて巨額赤字の温床となり、経営危機を招いた。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による買収案を軸に再建協議が続いてきたが、官民ファンドや銀行を巻き込んだ交渉で、柵はさらに複雑に入り組んだ印象を受ける。

▼道真公は、昔を懐かしむ詩歌を多く作った。「道の辺の朽ち木の柳春くればあはれ昔と忍ばれぞする」(柳の芽を見ると、朽ち木のような自分にも輝く春があったと思い出す)。シャープ再建には柵を断ち切って、一から出直す覚悟が要るのだろう。できなければ、懐旧の歌を口ずさむだけで終わることにもなりかねない。

0 0