日经春秋 20160311

来源:互联网 发布:犀牛软件 编辑:程序博客网 时间:2024/06/01 08:23

 「俺はね、2時46分でなくて、3時33分に黙とうすんだよね」。泥水で止まったままの時計に添えられた被災者の思いである。宮城県気仙沼市のリアス・アーク美術館には、津波で流された数多くの家財が生々しく展示され、記憶の風化にあらがって声を上げるようだ。

▼自転車、玄関の呼び鈴、ランドセル、炊飯器と、あの日、理性も慈悲もない奔流がいかに荒々しく日常をはぎ取り、生きてきた証しを奪い去ったのかを突き付ける。あれから5年。ヨチヨチ歩きの子が小学校へ入る歳月だ。かさ上げや公営住宅の建設、事業再開と復興は進むが、様々な喪失の感覚は容易には癒やされまい。

▼そして、取り戻すあてさえないふるさともある。福島第1原発近くの帰還困難区域だ。色分けの地図でみると、まるで「美(うま)し国」に刺さったとげのようである。昨年の国勢調査では双葉など4町で人口はゼロだった。なつかしい空気を吸いながら田畑をうち、大漁に胸躍らせる日々を取り戻せるのは、いつのことだろうか。

▼84人が犠牲となった石巻市の大川小学校旧校舎には、児童らによる卒業制作の壁画が残る。「世界が全体に幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」と宮沢賢治の言葉が書かれていた。その高みを目指そう、との含意だろう。隣には手をつなぐ各国の人々の絵。地球から絶えない悲しみに、共感や激励を伝えている。

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