日经春秋 20160331

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「この魔法の万能薬を見つけさえすれば、魚があふれる北アメリカの海を無尽蔵の宝物庫に変えることができるのだ」。大航海時代の探検家たちは競って求めた。塩である。フランス人は先住民から塩湖のありかを聞き出し、オランダ人は海辺に自力で製塩所を建てた。

▼米国の南北戦争でも塩が重要な役割を果たした。塩の流入を止められた南軍は糧食の腐敗で空腹に苦しめられた。いずれもマーク・カーランスキー著「『塩』の世界史」から引用した。日本だと信玄と謙信の友情物語が思い出されるし、松の廊下の刃傷の背景には浅野と吉良の製塩の技術の争奪戦があったとの指摘もある。

▼その塩があす24年ぶりに値上げされる。上げ幅はいっぺんに35%である。かつてならば米騒動ならぬ、塩騒動が起きかねない出来事だが、世の中の反応はそれなりに冷静のようだ。デフレ脱却を目指す安倍政権にしてみれば、いつまでも値上がりしない商品は「物価の劣等生」である。今回の値上げをさぞや喜んでいよう。

▼医学の祖ヒポクラテスは「日光は水の一番薄く軽い部分を引き付け、かくして塩ができる」と書き残している。我が家の食卓にある沖縄産の塩の製法もそれと大差ない。いまはもっと簡単につくれるのだろうが、自然の力でうみ出された塩の方がなぜかおいしく感じる。人と塩との長いつきあいが生んだ絆のせいだろうか。

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