天声人語 20141223

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司馬遼太郎さんが「仲間立(なかまりつ)」という言葉を使ったのが印象に残る。公と私について語る文脈で、英国の一部の私立学校をパブリックスクールと呼ぶのは、歴史的に仲間が金を出しあって運営してきたから仲間立であり、公的な意味合いを持つのだ、と▼新聞社のありようも仲間立ではないかとふと思う。社員が金を出しあうわけではない。ただ、私企業ではあるが、公器でもある。司馬さんによれば、会社を公器と考える思想は新聞社に限らず日本社会に根づいていて、これは世界に誇っていいと強調していた▼朝日新聞は公器としての責任を自覚しているのか。そう質(ただ)されていると感じた。本紙の慰安婦報道を検証する第三者委員会が報告書を公表した。なかでも夏以降の紙面作りは読者のためでなく、組織防衛のためだったという認定が胸に刺さる▼国民の知る権利に奉仕するから報道の自由が保障される、ということを忘れた――。報告書はそう書き、憲法21条の表現の自由を重ねて引く。この点は池上彰さんのコラムを掲載しなかった問題の核心でもある。頭(こうべ)をたれるほかない▼社内の議論や意思疎通の不十分さも指摘された。委員の田原総一朗さんは個別意見の中で、編集部門が経営幹部に対し「身体を張った議論」ができなかった点を問うた▼事実を真摯(しんし)に報道するという原点に立ち返るしかない。猛省しつつ、司馬さんの語った仲間立という気風を思う。内向きの発想を捨てて、仲間とともに読者の皆さんと向き合いたい。
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