天声人語 20141229

来源:互联网 发布:上海知杰公关策划 编辑:程序博客网 时间:2024/06/06 01:05
言われてみれば、開高健(かいこうたけし)という作家を知らなかったら、開高さんという姓は意外に難読かもしれない。ご本人の回想を読むと、小学校で学年初めに新しい先生がやってきて、一度でスラスラ読めた人は一人もいなかったそうだ▼出席簿を順に読みはじめると、必ず自分のところで読みあぐねて止まったという。「とまるゾ、とまるゾと思って待っていると、きっととまる」。そんな作家の思い出話が、暮れになって、その年に生まれた子の名前のニュースを聞くと胸に浮かぶ▼当節、名前は百花繚乱(ひゃっかりょうらん)、同じ表記でも読み方が多彩だ。明治安田生命の集計で今年の女児の1位になった「陽菜」さんには、ひな、ひなた、はな、はるな、あきな、といった読みがあるそうだ▼男児で2位の「大翔」くんは、ひろと、はると、やまと、そら、たいが、などと読む。文字は優雅に、音の響きはなめらかにというのが傾向らしい。いきおい個性的な読みが多くなる▼女児の名は「子ばなれ」が進んで随分久しい。4年前に「莉子(りこ)」さんが2位に入ったが、明治安田生命によれば「子」のつく名のトップ3入りは27年ぶりだったそうだ。クラス名簿に「子」が並んだ昭和は、遠くなりにけりである▼今の先生は新学期の前に、保護者に確認するなどしっかり準備するそうだ。それなら読みあぐねて止まることはあるまい。親心を映す今年の名前ランキングを眺めながら、どの子も一生ものの「贈り物」が気に入ればいいと願う。長い旅の道連れとして。
0 0