天声人語 20150108

来源:互联网 发布:材料力学800题淘宝 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 10:54
作家の梶山季之(としゆき)が『黒の試走車』を書いたのは1962年のことだ。田宮二郎の主演で映画にもなった。マイカー時代の扉が開き、自動車業界の火花が激しさを増す高度成長期。新車開発の秘密情報をめぐるサスペンスは人気を呼んだ▼開発中の新型車を覆面のようなベールで隠して試走する。虚実のほどは知らないが、あのころはそんなイメージを、筆者のような子どもでも持っていたと記憶する▼それから半世紀。自動車業界の競争はいまも激しいはずだが、思い切ったトヨタの決断である。世界に先がけて売り出した燃料電池車の特許約5680件を無償で開放するという。ニュースに驚いた人は多かったろう。そして拍手を送った人も▼水素と酸素を反応させて、排ガスを出さずに走る。苦心の技術をライバル社に提供するのは、参入を促して市場を広げるためだ。「戦略」ではあろう。しかし、ものづくりを競い極める企業として、なかなかできることではあるまい▼中国の魯迅(ろじん)の一節を思い出す。この大作家は、希望とは、もともとあるものとも、ないものともいえず、地上の道のようなものだと言った。そして「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」と結んだ▼「究極のエコカー」で走る人が多くなれば、それが道になろう。水素ステーションなどの整備は市場が広がるほど進めやすくなる。石油から水素へ主役を代えていく技術は、「希望」になぞらえるのにふさわしい道に思われる。
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