天声人語 20150112

来源:互联网 发布:知聊色情聊天 编辑:程序博客网 时间:2024/06/03 08:44
若い頃、現在あるがままの自分を自分のすべてと見極める気になれなかった――。作家の故中野孝次(こうじ)さんは、かつて本紙への寄稿でそう書いた。「もっとましな自分」があるような気がいつもしていたという述懐に、共感を覚える▼中野さんは唐代の詩人李賀(りが)の詩句を引いている。〈長安に男児(だんじ)有り/二十(はたち)にして心は已(すで)に朽ちたり〉。官吏登用試験から理不尽にも締め出され、李賀は自分を見切った。天才だからできることだと中野さん▼きょうの日を迎えた新成人が、中国の詩人のような心境に陥らないことを願う。長い人生を一日にたとえれば、まだ朝早い。心朽ちるには先が長すぎる。「もっとましな自分」を懸命に探すにせよ、自らつくり上げる気概を固めるにせよ▼20歳という区切りを日本人は特別なものと考えてきた。これからはどうだろう。選挙権の年齢が18歳以上に引き下げられそうである。自民、公明、民主、維新などの各党は、この月末に始まる通常国会での公選法改正をめざすという▼数の多い高齢者の声は大きく響く。若い世代は将来を担うにもかかわらず数が少なく声も小さい。世代間の格差をなくすためにも引き下げは望ましい。民法上の「成人」も20歳のままでいいのか議論の時だろう▼人が成熟しにくい時代ともいわれる。若者が自分を見極めるのにも昔より時間がかかろう。むしろだからこそ、より早く大人として遇したい。そして、相応の責任を負いながら、じっくり自分に向き合ってもらいたい。
0 0
原创粉丝点击