日经春秋 20150126

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中東について大学生にリポートを書かせると必ず登場する言葉がある。この地域の専門家、酒井啓子氏が著書でそう紹介している。その言葉とは「私たち平和な日本からは想像できない……」。文化や宗教が違うから戦争もテロも仕方ない。そんな意識がのぞくという。

▼もちろん、そんなことはない。30年近く前、リュックを背負い、この地域を旅したことを思い出す。気のいいケーキ屋の店主がいた。眠気を隠さない安宿の受付係のお兄さんがいた。海岸では民族衣装の男たちが夕日を眺めていた。時に大きな流れに翻弄されつつ、みな懸命に働き、日々をしのぐ、我々と同じ人々だった。

▼「1970年代のイラクは石油価格の上昇で日本以上に生活は裕福だった」と酒井氏。しかし80年代以降は戦争や経済統制が続いた。人口に占める若者の比率は非常に高く、教育を受けても就職先に乏しい。「暗い時代」を生きる膨大な若者層のエネルギーが内にこもり、極端な主張への憧れや死の礼賛が広がったとみる。

▼こうして勢力を伸ばした過激派に外国の若者も参加している。イスラム政治思想の研究家である池内恵氏は、かつての左翼イデオロギーやカルト系の新興宗教などに代わり、不満や破壊衝動を抱えた若者の受け皿に「イスラム」が使われている側面を指摘する。この種の運動がどんな末路をたどるかは、歴史が語っている。

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