天声人語 20150130

来源:互联网 发布:画电子电路图软件 编辑:程序博客网 时间:2024/04/28 14:25
アフガニスタンの首都カブールに住む10歳の少女マリアムは笑顔だった。2002年春、後藤健二さんが彼女の家を訪れた時のことだ。女子教育を禁じたタリバーン政権が前の年に崩壊し、学校に行けることになったので機嫌がいいのだ▼ところが母親が通学に反対していた。稼ぎ手だった長男を米軍の誤爆で失い、一家の暮らしは苦しい。教育費の余裕はない。後藤さんは説明した。ユニセフの支援があり、文房具などは支給されるから、と▼入学式の日、校庭には千人以上の女子が渦のようにひしめきあっていた。みんな学校は初めてだから列を作って並ぶことを知らない。マリアムの姿を追って撮影しながら、「本当に良かった」と胸を熱くした▼以上、後藤さんの著書『もしも学校に行けたら』から引いた。フリージャーナリストとして世界の紛争地を数多く取材してきたが、目を向けたのは困難に直面する普通の人々、とりわけ子どもだった。一番苦しむのは弱い立場にある彼らだから、との思いなのだろう▼戦いの現場の話を、日本の児童生徒らに語って聞かせる活動も手がける。少年兵、10代のエイズ……。日本の子どもが直接知らない厳しい世界の現実を、彼らに向けて本にもする。その姿勢は一貫している▼今回、「イスラム国」取材をやめるよう説いた知人もいたが、決意は覆らなかった。「何よりも生きて帰ること、そして伝えることが大事」。後藤さんの口癖だったという。何よりも、と祈らずにはいられない。
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