天声人語 20150306

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平安の昔、御所の梅が枯れたので、ある家に見事に咲く梅を見つけて移し植えた。見るとその枝に、家の主(あるじ)の歌が結びつけてあった。〈勅(ちょく)なればいともかしこし鶯(うぐいす)の宿はと問はばいかが答へむ〉▼天皇の仰せですから従いますが、毎年来るウグイスがやって来て、私の宿は?と聞いたら、何と答えましょうか――。天皇は深く感じて木を返したという。この「鶯宿梅(おうしゅくばい)」の故事にもあるように、梅とウグイスの取り合わせは古い▼しかし実際は、梅にウグイスではなく「梅にメジロ」のことが多い。萌黄(もえぎ)色で目がくりくりしたメジロは、花蜜が好きで梅の枝に来る。ウグイスは地味な茶系で警戒心がつよく、声は聞いてもなかなか姿を拝めない▼そういえば、北京五輪の開会式でこんなことがあった。可憐(かれん)な少女が「天使の歌声」を披露して喝采されたが、実は舞台裏で別の子が歌っていた。姿と声を「いいとこ取り」した演出が批判されたのを、ご記憶の方もあろう▼「梅にウグイス」もそのくちか。ホーホケキョの美声をメジロの美形にかさねる「いいとこ取り」は、梅の色香と相まって、早春の心象として古来絶妙にブレンドされてきた。この季節に和菓子屋さんに並ぶうぐいす餅も、メジロ色が多いように思われる▼きょうは虫たちが地中から這(は)い出すとされる啓蟄(けいちつ)。弥生の空は寒暖入りまじるが、それでもひと雨ごとに半歩、一歩と春は近づく。近所の公園でクロッカスが土を割って咲いていた。梅の開花前線も、北上中である。
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