天声人語 20150309

来源:互联网 发布:ubuntu aisleriot 编辑:程序博客网 时间:2024/05/16 23:50
ドイツ文学者の池内紀(おさむ)さんが居酒屋は「人生の夜学」だと書いている。飲む作法、店主や相客との間合いの取り方、ほどのよい切り上げ方など、万般を知らず知らずに勉強できる、と。『今夜もひとり居酒屋』という著書にそうある▼勉強熱心なわけではないが、筆者もまれに1人で居酒屋に入ることがある。1人の時に気になるのはつまみの量だ。頼みすぎると手に負えなくなり、後悔する。例えば、ホッケの干物は1人で食べるには大きすぎるという印象があった▼食べごたえがある上に安い。だから居酒屋の定番メニューとされてきたこの魚が、値上がりしている。水揚げが激減したからだ。マホッケの漁獲量は、この15年で5分の1近くにまで落ち込んだという▼高値になっただけではない。『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』という長い題名の本が最近出版された。著者は東京築地でマグロ仲卸業を営む生田與克(いくたよしかつ)さん。乱獲のせいで海から大きなホッケがいなくなってしまったと指摘する▼ホッケに限らない。マグロ、ウナギ……。日本の水産業は「乱獲、乱売、乱食」の悪循環に陥っていると、生田さんは警鐘を鳴らす。漁師だけでなく、流通業者も消費者も、皆がいわば協力し合って魚を減らしているという分析が重い▼海の豊かさを守るには、食べる側にも節度が求められるだろう。先日、居酒屋でホッケを食べてみた。確かに小ぶりだった。次の対面は少し先かと惜しみつつ、箸を置いた。
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