天声人語 20150312

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気はやさしくて力持ち。そんなお相撲さんのしこ名にも聞こえる。「命山」と書いて「いのちやま」と読む。土を盛り上げて人工の高台をつくり、津波からの避難場所にする取り組みが注目されている▼静岡、愛知、三重など東海地方で目立つのは、南海トラフ地震への不安と備えだろう。いずれは起きるとされる巨大地震の被害想定はすさまじい。最悪に最悪を重ねてだが、この3県で犠牲者は計17万人にのぼる。その多くは津波によるものだ▼命山は、江戸時代から伝わる。今の静岡県袋井市で、台風による高潮で多くの死者が出た。その教訓から、逃げ場となる小山を二つ築いたという。山は歳月に耐えて残り、県の文化財になっている。古人の知恵は素朴にして理にかなう▼東日本大震災は、逃げることの大切さを教訓に残した。避難を迷ったり、ものを取りに戻ったり、もう10秒、あと10メートルで生を阻まれた人もあろう。命山の名には、無念の涙を忘れまいとの誓いが、おのずとこもる思いがする▼古来の災害を調べている歴史学者の磯田道史(みちふみ)さんが、現在は「災後」ではなく「災間(さいかん)」だと言っていた。有史以来この列島に地震は絶えず、阪神と東日本の間はわずかに16年。言われて思えば「阪神から10年」は「東日本まで6年」だった▼きのう3月11日、各地は追悼の祈りに包まれた。家も故郷の町並みも無論大事だが、一番は命につきると痛感させられる。命山に限らない。硬軟の策を織り交ぜ、人を守る備えが欠かせない。
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