春闘集中回答―賃上げに広がりを

来源:互联网 发布:windows 2003server 编辑:程序博客网 时间:2024/06/14 17:59

春闘はきのうが大手企業の集中回答日だった。自動車や電機などの各社では、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)で、昨年を上回る高水準の回答が目立った。これから本格化する中小企業の賃上げ交渉に、この流れを波及させてほしい。

 今春闘での賃上げ水準は、今後の景気を左右すると見られている。国内総生産(GDP)の実質成長率は昨年、3年ぶりのマイナスとなった。GDPの6割を占める個人消費が昨春の消費増税後に落ち込んだ後、年後半になっても勢いを取り戻せなかった影響が大きい。

 消費が活性化しないのは、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかないからだ。物価上昇分を差し引いた実質賃金は、1月まで19カ月連続のマイナスを記録。その流れを変えることが、今春闘に期待された。

 労働側には追い風が吹いている。円安で大手製造業は史上最高益が予想されている。賃上げを経済の好循環につなげたい政府の後押しもあって、経営側は、水準はともかく賃上げ自体には理解を示していた。

 高齢化などによる人手不足は、賃金を押し上げる要因となる。賃上げの動きが外食産業などに広がった背景には、そんな事情もあった。

 また、今春闘では、賃上げを非正社員に波及させる取り組みがあった。トヨタは期間従業員の日給を組合要求通り300円(月にして6千円程度)引き上げる。食品スーパー大手のライフコーポレーションはパート社員約2万人の一部で、毎年賃金が上がる定期昇給を5月から始める。こうした動きがより多くの企業に広がってほしい。

 個人消費を活性化し、経済の足腰を強くするには、今後も企業が賃上げを続けることが欠かせない。17年4月には消費再増税も控えている。経営者は、コスト削減で利益を確保するデフレ時代の後ろ向きの考え方から、攻めの経営に転じる時ではないか。毎年の賃上げを前提に、その原資を生み出す収益力をどう強化するのか。設備投資や企業買収、社員の教育などに知恵を絞らなければならない。

 雇用者に占める労働組合員の割合は2割に満たない。経済の好循環につなげるためにも、格差の拡大を防ぐためにも、より多くの人たちの賃金が増えていくことが望ましい。

 政府は成長戦略などで企業の収益力の強化を後押しするとともに、最低賃金引き上げなど、春闘の成果が及ばない非正社員の賃金上昇につながる環境整備に努めるべきである。

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