日经社説 20150327 イエメンの混乱収拾を急げ

来源:互联网 发布:萧然在线网络问政 编辑:程序博客网 时间:2024/05/09 16:34

内戦の瀬戸際にあるイエメンで勢力を伸ばすイスラム教シーア派系の武装集団に対し、サウジアラビアが空爆に踏み切った。

 イエメンはサウジと国境を接し、アジアと欧州を結ぶ海上交通路の要に位置する。その混乱は中東を一段と不安定に陥れ、世界経済を揺さぶりかねない。国際社会は収拾を急がねばならない。

 北部を地盤とする武装集団は首都サヌアを掌握したのに続き、ハディ暫定大統領が逃れた南部の主要都市アデンにも迫っている。

 これに対しサウジやクウェートなど5カ国は「ハディ大統領の要請にもとづいてイエメンを守る」との共同声明を出し、軍事介入に乗り出した。その軍事行動を米国も後方支援するという。

 シーア派武装集団は同じシーア派の国家であるイランの支援を受けているとされる。サウジなどスンニ派のアラブ諸国はイランの影響力拡大を警戒している。

 一方では、国際テロ組織アルカイダにつながるイスラム過激派がイエメンで勢力を伸ばしている。フランスで起きた連続テロ事件への関与を主張している勢力だ。

 スンニ派のサウジとシーア派のイランがそれぞれ別の勢力を支援し、混乱に乗じてイスラム過激派が台頭するのは、シリアやイラクと同じ構図だ。

 サウジの軍事介入には自国への波及を防ぐ自衛の思惑があろう。しかしイエメンの安定を実現するには、ハディ政権と武装集団の間で停戦と和解を促す政治的な取り組みが欠かせない。難しい課題だが、武装集団に影響力を持つイランを動かすことが大切だ。

 イエメンはスエズ運河からインド洋に通じる紅海の南の出入り口にある。同国沖を航行する船舶は年間およそ2万隻。その安定は円滑な国際物流に不可欠だ。

 原油価格は下落傾向にあるとはいえ、サウジなどペルシャ湾岸の産油国への混乱の波及は原油供給に重大な影響をもたらす。原油調達の8割超を中東に頼る日本にとって人ごとではない。

0 0
原创粉丝点击