社説 20150411 親の監督責任 最高裁が免除基準を示した

来源:互联网 发布:校园网络拓扑图及意图 编辑:程序博客网 时间:2024/05/16 06:29

子供が通常は危険性のない行為で偶然に事故を起こしても、原則として親の監督責任は免除される――。社会通念に沿った初判断が示された。

 小学校の校庭で、6年生の男児が蹴ったサッカーボールが道路に飛び出し、避けようとしたオートバイの男性が転倒した。高齢の男性は足の骨折などで入院し、1年4か月後に死亡した。

 この事故で、最高裁は、男児の両親の損害賠償責任を否定する判決を言い渡した。「校庭の日常的な使用方法であり、事故を具体的に予想できる事情はない」といった理由からだ。

 司法判断の流れを大きく変える考え方である。

 民法は、法的な責任能力を欠く子供などが事故を起こした場合、両親ら監督義務者が賠償責任を負うと定めている。おおむね小学生以下が該当するとされる。

 子供が起こした事故によって親が賠償を求められた訴訟で、裁判所はほぼ例外なく親の責任を認定してきた。被害者救済を重視する姿勢が背景にある。

 今回の訴訟でも、1審の大阪地裁、2審の大阪高裁は、ともに男児の過失を認定し、両親に賠償を命じた。賠償額は2審判決で約1180万円に上った。

 男児は、学校が設置したサッカーゴールを狙ってボールを蹴った。両親は、こうした状況で起きた事故までも、親に賠償責任が及ぶのなら、「常に子供を監視下に置くか、屋外での球技を禁止するほかない」と主張した。

 確かに、目の届かない場所で偶発的に起きるトラブルを、親が防ぐのは難しい。最高裁が「監督義務を怠ったとは言えない」と結論付けたのは、うなずける。

 留意すべきは、最高裁が、どんな場合にも親の監督義務を免除したわけではない点だ。

 人混みの中を自転車で暴走するなど、子供が危険な行為によって事故を起こした際には、親が責任を問われるのは当然である。

 親の免責を認める司法判断が増えれば、被害者救済の道は狭まる。被害防止に向けた取り組みが、より重要になろう。

 今回、学校側の施設管理上の責任は問われなかった。だが、ゴールの設置場所を道路から離すなど、対応次第では事故を防げた可能性もあったのではないか。

 ボール遊びを禁止する公園が多い中、時間や場所を限定して認めているケースもある。子供が伸び伸びと遊べるよう、大人が事故防止に知恵を絞りたい。

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