天声人語 20150422

来源:互联网 发布:支持向量机算法实例 编辑:程序博客网 时间:2024/06/12 00:54
大海原に出て陸が見えなくなる恐怖に耐えられなくては、新しい大陸に到達することはできない。大航海時代の金言か、後世の人生訓だったか、そんなふうな言葉を何かで読んだ。未知への船出には決意が要る▼かのコロンブス船隊の猛者たちも、陸影が消えると泣く者が続出した。そこで航海日誌を二つ作って、進んだ距離を実際より短く記した偽(にせ)の方を乗員に示したという。すぐに戻れると、なだめすかして海を渡ったらしい▼21世紀の今も、新天地を渇望して海に出る人々がいる。北アフリカから欧州へ、地中海を渡る移民や難民の遭難が後を絶たない。テロや紛争から逃れ、恐怖に耐えて「板子一枚下は地獄」の密航船に乗り込んだ人たちだ▼こぼれ落ちんばかりに人が乗る写真は痛々しい。食事やトイレはどうするのだろう。先日もリビア沖で一隻が転覆して700人以上が行方不明になった。悪辣(あくらつ)な密航ビジネスも横行する▼「昨年に約21万9千人が地中海を渡り、少なくとも3500人が死亡した」。国連機関の挙げる数字が国際社会の無策を撃つ。平和な国と時代に生まれたのはたまさか。天の采配ひとつで自分はその誰かだった。そんな想像力は難民に冷淡な日本にも必要だ▼日本人の地中海のイメージは、古来の芸術や富を育んだ「明るさ」だろうか。洋行帰りの永井荷風は濃紺の海を「磨き上げた宝石の面」と詩情豊かに表した。戦火だけでなく飢餓にも貧困にも追われてその海に沈む人々を、何とか救えないか。
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