社説 20150427 装備の長期契約 防衛力増強へ効率化の徹底を

来源:互联网 发布:大闸蟹品牌 知乎 编辑:程序博客网 时间:2024/06/07 05:55

防衛装備の調達を効率化し、限られた予算を有効活用して、防衛力の強化につなげるべきだ。

 航空機や艦船など高額な装備を長期契約で購入できるようにする特別措置法が成立した。現行の財政法では、契約の翌年度以降に支払う「国庫債務負担行為」は最長5年だが、10年まで延長する。

 防衛省は特措法を適用し、最新鋭のP1哨戒機20機を7年契約で一括購入する。総額3396億円で、4年契約で4回に分けて5機ずつ購入する従来方式に比べ、417億円も節減できるという。

 特措法は、南西諸島防衛を重視する中期防衛力整備計画(2014~18年度)に基づく装備調達を大幅に効率化する狙いがある。

 P1は、初の純国産哨戒機で、現在運用中のP3C哨戒機より潜水艦探知能力などが大幅に優れている。順次、P3Cと入れ替え、警戒監視活動に従事する。

 次の長期契約候補は、哨戒ヘリSH60Kなどである。

 厳しい財政状況の下、調達費の抑制は欠かせない。中期防は、7000億円程度の財源を調達改革で確保すると定めた。長期契約はその有効な手段と評価できる。

 短期契約の場合、企業は将来の受注が見通せず、人員配置や設備投資の計画を立てにくい。長期契約なら、人材育成や投資を積極的に行えるし、材料などのまとめ買いによるコスト縮減も可能だ。

 海外では、長期契約による調達が一般的である。米仏は、艦船や戦闘機、ミサイルなどを10年前後の契約で購入している。英国は最長25年の契約ができる。日本もようやく国際標準に近づいた。

 特措法は18年度までの時限立法だ。効果と課題を検証し、制度の恒久化を検討してはどうか。

 防衛省は10月に、装備調達などを一元的に担う「防衛装備庁」を設置する予定だ。必要な装備の目利きや価格交渉力の強化など、様々な改革を行い、合理化と透明性の確保を徹底してもらいたい。

 日本周辺では、ロシアや中国が急速な軍備拡大を続ける。

 中国の公表分国防費は1989年以降、ほぼ毎年10%以上伸びている。日本の防衛費は10年連続で減少し、13年度から増加に転じたが、伸びは年平均1・3%だ。

 このまま推移すれば、中国の国防費は5年後に日本の4倍超、10年後には7倍近くに膨らむ。

 こうした厳しい安全保障環境に対応するには、安保法制の整備に加え、調達改革を戦略的に進めることが重要である。

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