天声人語 20150514

来源:互联网 发布:自然堂淘宝免单骗局 编辑:程序博客网 时间:2024/05/19 06:50
芸術に接するときに、どうも当方、名前や権威にいささか弱い。絵にせよ陶芸にせよ、あまりピンとこなくても、大家の作と知れば「ほぉ」となる。仏像なども、重要文化財より国宝にまみえるほうが背筋は伸びる心地がする▼われながら情けないが、多かれ少なかれ人間そんなものだろう。さて、これも作者の名前の功か。ピカソの油彩画「アルジェの女たち」が約215億円で落札された。美術品としては競売史上最高額という。手もとの電卓を叩(たた)くと1平方センチあたり約130万円と出た▼連作画の一つで、18年前の競売では5分の1以下の値だった。今回の高値の理由は分からないが、天才の名前抜きには語れまい。素人目ながら、ピカソらしい色と図柄でもある▼ピカソの絵は11年前にも当時の最高額をつけ、米国駐在だった筆者は記事を送ったものだ。「彼の絵の値段をすべて足したら、一体いくらになる」と米紙の記者が肩をすぼめていた▼1年ばかり前、イタリアからこんな話題が届いたのを思い出す。工場で働く男性が40年ほど前、競売にかけられた静物画を3千円ほどで買った。長年台所に飾って眺めていたが、その絵は盗まれた大画家ゴーギャンの作と分かった▼14億円の価値はあるようだと同僚の記事は伝えていた。数奇な話もさることながら、画家の名前でではなく、自分がいいと感じた絵を大切にしてきたその人が清々(すがすが)しかった。感動は名前や権威にはない。自分の感性のおもむくままに。教わった気がした。
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