日经社説 20150616 スマホを安く手軽に使える環境整備を

来源:互联网 发布:天刀捏脸数据导入视频 编辑:程序博客网 时间:2024/04/28 07:52

スマートフォン料金の高さに不満を抱く利用者は少なくない。NTTドコモとKDDI、ソフトバンクの携帯大手3社の料金は横並びで選択の余地は小さく、他の先進国と比べても高めの水準だ。スマホの保有率も約5割と低い。

 良質で低廉な通信サービスは、日々の経済活動や社会のコミュニケーションを支える土台ともいえる。スマホをもっと安く手軽に使える環境整備を急ぎたい。

 その突破口になると期待したいのが、総務省の指針に沿って今年5月から始まったSIMロックの解除措置だ。

 これまで通信会社は利用者を囲い込むためにスマホや携帯電話にSIMロックという縛りをかけ、例えばKDDIで購入した端末は同社の通信サービスしか利用できないことが多かった。この縛りを解くことで、利用者は手持ちのスマホを使い続けながら通信会社の移行が可能になる。

 大手3社からの乗り換え先として注目されるのが、3社のネットワークを借りて格安料金でスマホサービスを提供する「MVNO」と呼ばれる通信会社だ。

 近年はイオンなど大手流通企業がMVNO事業に名乗りを上げ、一般の消費者にとって格安スマホは身近な存在になりつつある。料金面でも例えばデータ通信だけなら月額1000円以下のサービスが登場した。多様なプレーヤーの参入で停滞気味だった携帯通信市場が活性化し、消費者の選択の幅が広がることを期待したい。

 政府の役割も重要だ。従来から総務省は競争促進の旗を振ってきたが、うまくいかず、大手3社の寡占化が進んだ。通信ネットワークをゼロから整備するには巨額の投資が必要で、事業基盤の弱い新規参入者は大手3社にとても太刀打ちできないのが実情だ。

 MVNOは大手のネットワークを借りてサービスするので参入しやすいが、逆に設備をライバルに依存するという弱みもある。政府は大手3社が自社の設備を適切な条件で外部の事業者に開放するよう、ルールの策定や競争状況の監視に力を注いでほしい。

 現状では、自分の電話番号を持ったまま大手3社からMVNOに乗り換えると、移行期の数日間は電話ができないといった状況が生じることがある。消費者の選択を妨げるこうした問題をひとつひとつ解消し、市場全体の自由度を高めるのが政府の役割である。

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