日经社説 20150620 中国は香港との約束履行を

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中国が香港に約束した「一国二制度」の下での高度な自治が宙に浮いている。2017年の香港行政長官選挙に直接投票を導入する法案が議会で否決された。「1人1票」にしても、中国の意向に従って民主派候補を事実上、排除する制度は理解を得られなかった。

 だが、このままでは業界団体代表らによる現行の間接選挙が続く。有権者の直接投票は実現しない。香港大などの最近の世論調査では法案への賛成が反対を上回るという情勢の変化もあった。香港社会の分裂は避けねばならない。

 「雨傘革命」と呼ばれた昨年の大規模抗議運動の記憶は新しい。怒る香港の学生らは長く道路を占拠した。運動には1997年の香港返還の頃に生まれた郷土愛が強い10代も参加した。香港の自由空間を守ろうと必死の若者らと、中央への服従を求める習近平国家主席ら中国指導部の衝突だった。

 香港で直接投票を行うはずだった17年は中国にとっても敏感な年だ。「ポスト習近平」の姿が見える共産党大会があり、権力闘争も激しくなる。中国は香港の民主派による習指導部への批判を警戒し、「親中国」の候補者数人だけの“安定選挙”を望んだ。

 中国外務省報道官は法案否決に関して「目標履行は中央政府の一貫した立場だ」と強調した。譲歩を拒む姿勢は残念である。

 中国では共産党の一党支配の下、政治改革の議論も難しい。世界第2位の経済大国になった以上、社会の多様化に伴う様々な利害を民主的な投票で調整する機能が必要だ。香港の民主化の行方は、大陸中国が向かう道も左右する。17年に予定していた香港トップの直接投票はその試金石だった。

 香港政府は社会の分裂を避けるためにも市民の意見を再び集約し、中国政府に善後策の検討を働きかけるべきだ。中国は香港の繁栄維持のため「一国二制度」を約束してきた。その経緯を忘れるなら国際社会の信頼を失う。香港の人々の心に寄り添う新たな方向を示す義務がある。

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