天声人語 20150624

来源:互联网 发布:吉林大学南岭校区 网络 编辑:程序博客网 时间:2024/06/07 00:32
「未確認飛行物体」という愉快な一作が詩人の入沢康夫さんにある。〈薬罐(やかん)だつて/空を飛ばないとはかぎらない〉と奇想天外に始まる。水のいっぱい入ったやかんが、夜ごと台所をぬけ出し、町や畑の上を〈心もち身をかしげて/一生けんめいに飛んで行く〉と続いていく▼きょうが「UFO(未確認飛行物体)の日」と聞いて、ユーモラスな一節が胸に浮かんだ。1947年のこの日、米国の実業家が自家用機から奇妙な飛行物体を見た。「空飛ぶ円盤」の名が生まれ、呼び水のように目撃談が相次いでブームを呈したという▼時は流れ、宇宙の知的生命体を探す米国の研究所のニュースを、先の夕刊で読んだ。もっともUFO探しではない。電波望遠鏡で宇宙からの信号を集め、人為的な規則性、つまり宇宙人からの「便り」があるかを解析している▼荒唐無稽と笑うなかれ。高度な電波天文学の世界のことで、始まって30年になる。解析技術は進み、「あと10年で宇宙人が見つかる可能性はあると思う」とリーダーは言う▼先様から見れば、私たちは「○○星人」という認識になろう。他の知的生命の存在は、人類を少しばかり謙虚にするだろうか。母なる地球への感謝は深まるだろうか、などと想像してみる▼冒頭で夜空を飛んでいったやかんは、〈砂漠のまん中に一輪咲いた淋(さび)しい花/大好きなその白い花に/水をみんなやつて戻つて来る〉と結ばれる。UFOの日の絵空事とは言わず、そんな優しさが地上に広まるといい。
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