天声人語 20150711

来源:互联网 发布:ip mac 编辑:程序博客网 时间:2024/06/05 13:56
男性より女性のほうが虫が苦手だと、どなたかが書いていたのを前に読んだ。しかし、ゴキブリを見て声が裏返る男性もいる。知人のお宅では鉢植えによくシャクトリ虫がつくが、さわれぬ夫を尻目に妻は平気でつかんで捨てるそうだ▼〈結局は妻が打ちたる蜈蚣(むかで)かな〉松重幹雄。3年前の朝日俳壇の入選句には思わず笑った。ムカデは毒々しいうえに、刺されると大変だ。腰が引ける夫、勇気をふるう妻。その間の騒ぎが目に浮かぶ。冒頭の見解には、どうも賛成いたしかねる▼虫たちの命がひしめく季節に、そんなことを思い巡らした。好かれる虫もそうでない虫も、雨の奥から多彩なものたちが湧くように生まれるときだ。きのうは近所の公園で、久々の陽光の下をクロアゲハが優雅に舞うのを見た▼梅雨が明ければセミが鳴き、王者カブトムシやクワガタもお出ましになる。ところが昨今、昆虫を嫌う子が増えているという。小学校の新人先生にも、虫にさわれないなど苦手な人が少なくないらしい▼おなじみの「ジャポニカ学習帳」の表紙から昆虫写真が消えたのは、気持ち悪いという声に配慮したためだ。人気の高い昆虫写真を限定復刻するとの記事を先日読んだが、それでも寂しい話である▼「昆虫採集も昔のように『科学への第一歩』などと言われなくなった」と、ファーブル昆虫記を訳した奥本大三郎さんが嘆いていた。近づく夏休み、虫かごをたすき掛けにした子らの姿を見てみたい。むろん男子だけでなく女子も。
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