日经社説 20150712 中ロに問われる国際秩序づくりの自覚

来源:互联网 发布:新东方留学怎么样知乎 编辑:程序博客网 时间:2024/06/06 02:39

ロシアでBRICS、上海協力機構の首脳会議が開かれた。いずれも中国とロシアが主導する国際的な枠組みで、国際社会での影響力拡大に向けた結束を唱えた。

 新興国の存在感を高め、国際秩序づくりに積極的に加わろうとする意図は理解できる。ただし、米欧への対抗姿勢を鮮明にしつつあることは気がかりだ。

 BRICSは中ロとブラジル、インド、南アフリカの新興5カ国で構成する。当初は意見交換の場だったが、今回の会議では5カ国が共同出資する新開発銀行(通称BRICS銀行)の正式発足を宣言するなど、具体的な協力強化へと大きく踏み出した。

 中ロに中央アジア4カ国が加わる上海協力機構もインドとパキスタンの加盟を承認し、組織拡大に動き始めた。またイランのロウハニ大統領を招き、首脳宣言でイラン核協議の合意に向けた努力を高く評価するなど、国際政治で貢献しようとする姿勢も誇示した。

 BRICSの経済規模は世界の2割を占める。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)とともに、BRICS銀が出資国の権益拡大ではなく、純粋に途上国のインフラ整備を支援するなら建設的な役割も期待できる。上海協力機構にしても、地域や世界の安定に寄与する枠組みをめざすのであれば歓迎すべきだろう。

 懸念されるのは、中ロがこうした枠組みを日米欧の主要7カ国(G7)の対抗軸に据えようとしていることだ。中ロは米欧主導の国際秩序づくりに強い不満を持っており、とくに昨年、ウクライナ領のクリミア半島編入を機に主要8カ国(G8)から除外されたロシアにはその傾向が根強い。

 存在感を増す新興国が国際秩序形成で一定の役割を担うのは当然だ。もっとも、その一翼を担うのなら相応の自覚が要る。米欧との対立をあおらず、秩序を乱す行動を控え、よりよい秩序形成への責任を果たすべきだ。いまや中国の株式相場は世界の金融市場を揺るがす。グローバル社会では先進国と新興国の連携が欠かせない。

 G7も新興国の不満に真摯に耳を傾けていく必要がある。なかでも米欧主導で続く国際金融体制への不信感が、AIIBやBRICS銀の創設につながったことを忘れてはならない。米国などの反対で、いまだに実現していない国際通貨基金(IMF)の改革は待ったなしである。

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