天声人語 20150722

来源:互联网 发布:关口知宏上海 编辑:程序博客网 时间:2024/05/29 19:31
ダンディズムを感じさせる人だった。小さな酒場のカウンターで、ひとりグラスを傾ける姿を思い出す。格好よかった。先日、米国で亡くなった経済学者の青木昌彦さんである。何度かお目にかかった▼比較制度分析という新しい分野を打ち立て、ノーベル経済学賞の有力候補とされた。考察の対象は幅広い。自民党が圧勝した10年前の郵政選挙の後、民意を誇張して示す小選挙区制度の破壊力を語っていた。次は民主党の圧勝か、と▼伝統的な学問の枠組みを乗り越えることに終生挑んだ。米スタンフォード大学の日本センターを京都に開いたのをはじめ、「知的ベンチャー」の創設にも尽力した。その軌跡をみずからつづった著書が、『人生越境ゲーム』と題されたのもうなずける▼企業のあり方をめぐる問いも鋭かった。もうけて株価や給与を上げるだけが会社ではない。社会的な存在価値も必要だと説いた。例えば、環境技術の研究に出資して社会に貢献すれば、市場での評価も高まる。会社は株主だけのものではないし、従業員だけのものでもない▼とすれば、この会社は誰のものだったのだろう。歴代社長のものだったのか。東芝の利益水増し問題に経営トップが関与していたと、第三者委員会が認定した。過大な収益目標を「チャレンジ」と称し、その達成を現場に強く迫っていたという▼青木さんは、人生越境ゲームへのチャレンジには結末がないと書いていた。その大きさに比べ、目先の数字いじりの小ささが際立つ。
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