日经社説 20150802 限界に近づく救急車の出動

来源:互联网 发布:淘宝达人怎么介绍 编辑:程序博客网 时间:2024/05/16 00:30

この夏も熱中症で救急搬送される人が相次いでいる。病気や事故など万が一のとき救急車は心強い存在だ。しかし救急車の出動は限界に近づいているといわれる。

 2014年の救急出動は約598万件にのぼる。この四半世紀で2倍に増えた。全国で約5秒に1度、救急車が呼ばれていることになる。このまま増え続ければ、救急が機能しなくなる恐れもある。出動の抑制や財政負担の軽減のため、有料化を求める声も政府内には出ているほどだ。

 出動増加の大きな原因は人口の高齢化とみられる。13年に救急搬送された患者のうち65歳以上は半数を超えた。また、全搬送者のうち半数は入院の必要がなかった「軽症」の人だったのも特徴だ。

 こうした状況から関係者は「身近に頼れる人がいない一人暮らしの高齢者が増え、具合が悪くなると、どうしてよいかわからず救急車を呼ぶ」といったケースが広がっている、と分析している。

 もちろん、熱中症など命に関わる場合もある。急に具合が悪くなって119番にダイヤルすることをためらうべきではない。ただ、高齢者の周りに人がいて、その人が適切に対処してくれれば、救急車を呼ばずに済むケースもあるかもしれない。

 国は、独居の高齢者が医療や介護が必要な状態になったとしても、できる限り入院せず自宅など住み慣れた地域で暮らし続けることができる体制を整える、としている。医療職や介護職が連携し、これに地域住民のボランティアなども加えて高齢者を支え見守る「地域包括ケア」という考え方だ。

 簡単にできる体制ではないが、整っていけば高齢者が救急車に頼る頻度も減るのではないだろうか。この体制は医療費や介護費を抑えることも狙いだ。各自治体で真剣に取り組んでもらいたい。

 タクシー代わりの救急車利用があるとも指摘される。医療資源には限りがあり、湯水のように使っていいものではないことも改めて確認しておきたい。

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