日经春秋 20150806

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突然、天が裂け暗闇が落ちてきた。閃光(せんこう)と衝撃波で、「水の都」広島は一瞬で消え去った。キノコ雲の下の地獄をさまよった作家の原民喜(はらたみき)は書いた。「スベテアツタコトカ アリエタコトナノカ パツト剥ギトツテシマツタ アトノセカイ」。あの朝から70年が過ぎた。

▼生々しい光景を「死んでも描きとめたい」と「夏の花」などの小説に記した。他の被爆者も惨状を記録や作品に残した。体験を語り、何が起きたか知らせてきた。けれど歳月は忘れてはならない記憶も風化する。高齢化で体験が伝承されなくなる恐れもある。そんな危機感から、遠く離れた東京でも新たな試みが始まった。

▼国立市が被爆体験の語り部の育成に取り組んでいる。学校での講演活動などを受け継ぐためだ。沢村智恵子さん(55)は1期生の一人。広島高師付属中(現広大付属高校)を出た原の後輩にあたる。中学1年だった叔父を原爆で亡くした。「父も亡くなり当時の話も聞けない。自分がやるべき活動だ」と研修を続けている。

▼原は「ヒロシマのデルタに青葉したたれ」と願った。今後75年間は植物は育たないといわれたが、その秋には、草が生え、花も咲いた。一粒の種が芽吹けば、生い茂り、やがて地に満ちる。語り部は種まく人だろうか。根気強く、語り続けてほしい。過ちは繰り返さない。思いは世代を超えて、草木のように伝わってゆく。

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