天声人語 20150820
来源:互联网 发布:vmware网络连接方式 编辑:程序博客网 时间:2024/06/07 01:09
暗い夜をくぐり抜けてきた人は、ともしびの明るさが胸にしみる。作家で東京大空襲・戦災資料センター館長の早乙女勝元さんは、敗戦の夏に平和を実感したのは灯火管制の解除だったという。「平和は明るい、まぶしいなと思ったものだ」。かつて本紙で述べている▼戦時中は空襲に備えて、電灯に黒い覆いをかけるなどして明かりを外に漏らさぬようにした。玉音放送の5日後、70年前のきょう、その令が解かれる。東京の街灯も3年8カ月ぶりにともり、大きな写真つきで本紙は報じた▼「前夜まで月明りとはいえ、しじまの闇にこもっていた帝都であったが、ビルの窓にも壕舎(ごうしゃ)にも灯火が」と記事は伝える。徳川夢声はビル街の写真を見て日記に一句したためた。〈ともかくも平和めでたし秋灯(あきともし)〉▼焼け跡の国土で「戦後」が産声をあげ始めていた。22日からは天気予報も復活する。戦時中は軍事機密として新聞、ラジオから消えていた。測候所員が遅霜を心配する農家に予想気温を教えても叱責(しっせき)されたというから、時代の息苦しさがわかる▼翌23日の本紙は「天気予報復活の第一報」と見出しをつけて、台風の接近を伝えている。戻ってきた天気予報と灯火は、軍部が主導し、すべてに軍事優先だった時代の終わりを人々に告げたことだろう▼70年をへて、宇宙から見る列島の夜景は明るく、天気予報は微に入り細にわたって暮らしに溶け込む。勇ましく尖(とが)らずにきた歳月が、今ある「あたりまえ」を育んできたのを忘れまい。
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