社説 20150822 70年談話質疑 歴史認識の共有進める土台に

来源:互联网 发布:寻仙3100端口 编辑:程序博客网 时间:2024/05/31 19:34

過去の総括を踏まえ、平和国家として世界にどう貢献するのか。与野党は、未来志向の議論を深めてもらいたい。

 参院特別委員会で、安倍首相が先に発表した戦後70年談話を巡る質疑が行われた。

 次世代の党の和田政宗氏は「不戦の誓いや歴史的事実を丁寧に述べている」と談話を評価した。談話にある「民族の自決の権利」に関連し、中国の少数民族弾圧について首相の見解を尋ねた。

 首相は、「普遍的価値である人権の保障が重要だ。人権状況を注視している」と応じた。

 新党改革の荒井広幸氏も談話に賛意を示した。先の大戦での軍部の暴走を踏まえ、自衛隊に対する国会のチェック機能を強化する重要性も指摘した。

 過去の誤りを教訓とし、現在の政治に生かす視点は大切だ。

 一方、社民党の又市征治氏は安全保障関連法案を「戦争法案」として、談話に逆行すると批判した。首相は、法案は「国民の命と平和な暮らしを守る」と反論した。

 法案は、談話が重視する「積極的平和主義」を具体化するものである。批判は当たらない。

 同様に疑問なのは、談話の発表直後、民主党の岡田代表が、談話の「植民地支配」や「侵略」が日本の行為か、一般論か、定かでない、と主張したことだ。

 談話は、「侵略」「植民地支配」の主体として「日本」「我が国」「私たち」と記している。

 共産党は、首相が自らの言葉で「反省」や「おび」を述べていない、と非難している。

 だが、談話は、国内外で犠牲になった人々に対し「深くこうべを垂れ、痛惜の念を表す」と明記している。戦後50年の村山談話の「お詫び」に相当する表現である。

 野党は、首相の揚げ足を取っているのに過ぎない。

 世論調査では、談話への支持が不支持を大きく上回っている。先の大戦をどう考えるか。保守からリベラルまで、歴史認識を巡って対立してきた国民が一定の合意に向かううえで、安倍談話は重要な土台になり得よう。

 日本の針路に関する建設的な論議には、歴史認識を大筋で共有することが前提となる。

 談話は、戦争と関わりのない世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と強調した。正確な史実を将来世代に引き継ぐため、歴史教育の充実が急務だ。

 平和の構築、途上国支援、核軍縮など、日本が担う役割についても多角的な議論を進めたい。


0 0
原创粉丝点击