社説 20150108 日米韓情報共有 北のミサイル抑止につなげよ

来源:互联网 发布:python 泛型编程 编辑:程序博客网 时间:2024/05/15 23:51

北朝鮮の軍事的な脅威に、的確に対処するうえで重要な前進である。

 日米韓3か国の防衛当局は昨年末、北朝鮮の核・ミサイルに関する情報を共有する取り決めに署名した。日韓は、相手国に開示できると判断した秘密情報を、同盟国の米国を通じて提供する。

 北朝鮮が2012年4月に弾道ミサイルを発射した際、直後に空中分解したため、発射場所近くにいた韓国軍イージス艦は追尾したが、自衛隊艦船は探知できず、情報入手が遅れた。今後、こうした情報を韓国から得やすくなる。

 韓国は、諜報ちょうほう活動で入手する北朝鮮内部の極秘情報に優れる。日本は、韓国とは別のイージス情報などを持つ。両国が情報を補完し合うメリットは極めて大きい。

 日米韓の情報共有を進め、安全保障協力を強化することは、北朝鮮の軍事的な挑発を抑止する戦略的な効果が期待できよう。

 北朝鮮の脅威は増している。

 韓国は最新の国防白書で、北朝鮮の長距離弾道ミサイルについて「米本土を脅かす能力を保有している」と推定した。ミサイル搭載に必要な核兵器の小型化が進展している、とも分析する。

 日韓は、今回の取り決めを積極的に活用し、より多くの秘密情報を交換すべきだ。そのためには、防衛当局が対話を重ね、信頼関係を深めることが欠かせない。

 両政府は12年6月、幅広い防衛秘密をやり取りする「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)の締結を決定したが、韓国側が一方的に協定署名を延期した。日本との安保協力に慎重な韓国世論は依然として、根強い。

 今回の合意の背景には、米国の働きかけがあった。ただし、対象は北朝鮮の核・ミサイル情報に限定され、法的な拘束力はない。日韓間の直接の情報交換はなく、両国とGSOMIAを結ぶ米国経由の伝達にとどまっている。

 より幅広い軍事情報を対象にするとともに、情報管理を万全にするには、やはり日韓GSOMIAの締結を目指す必要がある。

 韓国には中国を刺激することへの懸念もある。だが、自国の安全保障を考えれば、日本との情報協力で得るものは大きいはずだ。

 日韓関係は今、慰安婦問題など懸案が多く、安倍首相と韓国の朴槿恵大統領の会談が実現していない。政治対立が国民感情の悪化や経済面の停滞も招いている。

 今回の取り決めは、「次善の策」とはいえ、冷え込んだ日韓関係にとって久々の成果と言えよう。

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