日经春秋 20151103

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冬が迫る。木々の一葉一葉が黄や紅に染まっていく。透明な絵筆が動いているようだ。七十二候でもこの時期を楓蔦黄(もみじつたきばむ)という。染織家の志村ふくみさん(91)はほぼ60年、四季折々、装いを変える草木から採った染料で糸を染め、布を織ってきた。

▼いまも仕事の核に藍染めがある。幼子二人を抱え生活に迫られて、この道に入った。31歳だった。「藍染が絶えぬようにしてほしい。藍染の着物ほど日本の女の人を美しくみせるものはない」。母に励まされて取り組むが、失敗の連続だった。甕(かめ)に仕込んだ葉が発酵して深い青が立ち上る過程が難しい。一時は諦めかけた。

▼やがて藍が生きていると実感する。月の満ち欠けに合わせて仕込むと甕の中がいきいきしてくる。はっとするような鮮やかな紺青(こんじょう)が生まれた。自然のリズムが植物の持つ命の輝きを引き出したことに気づく。「色の背後にある植物の生命が色をとおして映し出されているのではないか」(「一色一生」)と思うようになる。

▼草木の命は移ろいやすい。つかのま輝いては消える。染織家はその命をこの世界にとどめる手伝いをしているという。見えない季節の変転を織色で表現する。文化勲章受章が決まり、志村さんは「重み、責任、使命を感じる」と語っている。四季が育んだ「日本の色」に新たな命を吹き込み、次代に伝える決意と聞こえた。

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