天声人語 20160104 余得なしのカレンダー

来源:互联网 发布:mac打不开英雄联盟 编辑:程序博客网 时间:2024/05/18 12:43
雨にもいろいろあるが、「遣(や)らずの雨」を辞書で引く。帰ろうとする人をまるで引き留めるかのように降ってくる雨、とある。帰省のお孫さんとの別れを惜しみ、雨でもヤリでも降ってくれと思った方もおられたか。きのうのニュース番組は夜までUターンラッシュの混雑を流していた▼まっさらな雪のように明けた新年もログイン前の続き、三が日を過ぎると少しくすんだ心地になる。といっても松の内という区切りもあるから、正月気分はまだ残る。土地にもよるが7日頃に松飾りを外す。そのあたりまで飛び石で休みが続く年もある▼その点、今年の暦は余得もなく、きょう4日からきっぱり世間が動く。年の瀬のざわめきも、初春の華やぎも、親族再会も、たちまち思い出となって流れ去る。去年と今年の入れ替わりは実に素早い▼国会も召集される。安保関連法、TPP、1億総活躍社会、普天間移設、あれやこれや、山と積まれた問題を前に、政府・与党は野党が求めた臨時国会の召集に応じないまま年を越した▼きょうからは通常国会を前倒しして開く。質(ただ)す、答える。誠も実もある切り結びを望みたい。「丁寧に説明する」と言った首相は、その実行を肝に銘じるべきである▼〈めでたさの続きに居(お)りて四日かな〉大橋麻沙子。仕事始めの職場では、得意先へ年始回りに出る人もおいでか。冒頭の話に戻るなら、「めでたさの続きに居り」は賑(にぎ)やかな客が去ったあとの寂しさの感覚でもあろう。それぞれの日常が、列島の各地で立ち返る。
0 0