日经春秋 20160214

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リルケは愛の詩人である。欧州中を旅しながら詩を作った。「恋する女」では、心のざわめきや不安、苦悩を繊細な表現で切々と歌う。祭壇に捧(ささ)げるように、ひたむきな思いを詠んだ「献身」など、今日の聖バレンタインデーに似合いそうな詩句をいくつも残している。

▼ロマンあふれる抒情(じょじょう)的な作品がある一方、宇宙や世界を想像させる表現も多い。「木の葉が落ちる 落ちる…重たい地球があらゆる星の群れから寂寥(せきりょう)のなかへ落ちる われわれはみんな落ちる」(「秋」)。文字通り「重力」と題した詩も、物理学を連想させる。「重力が彼のなかを逆さまに落ちてゆく」(富士川英郎訳)

▼詩人が代表作を書いた1910年代、物理学の世界では革命的発見が相次いだ。アインシュタインが一般相対性理論を発表し、それまでとは宇宙や物質の見方が全く変わった。時間と空間は一体のものであり、星の周りでは空間がゆがんでいるという。当時の空気が、リルケの詩に宇宙的な広がりを与えたのかもしれない。

▼相対論が存在を予言していた「重力波」を米大などのチームが初めてとらえた。これまで観測できなかった天体現象や宇宙の成り立ちを解明できる可能性も出てくる。大発見という。予言から1世紀を経て宇宙は再び、新たな顔を見せ始めるのかもしれない。詩人が健在ならば、もっと斬新な表現を発見するにちがいない。

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