社説 20150203 JR九州上場へ 収益拡大に一層の工夫が要る

来源:互联网 发布:宁波行知职业技术学校 编辑:程序博客网 时间:2024/05/02 01:18

株式上場後は、厳しい市場の評価を受ける。これまで以上に収益拡大を図り、企業価値の向上に努めねばならない。

 国が実質的に100%保有しているJR九州の株式が、2016年度に上場されることになった。1987年の国鉄分割・民営化で誕生したJR各社の上場は、東日本、西日本、東海に次いで4社目である。

 国土交通省は、今国会にJR会社法の改正案を提出し、国の管理下にある「特殊会社」から、純粋な民間会社に移行させる。

 事業計画の策定や長期資金の借り入れなどに対する国の認可は不要になり、自由度の高い経営が行えるようになる。

 赤字の鉄道事業を引き継いだJR九州は、不動産や外食など関連事業の強化により、収益を安定させた。「攻めの経営」で、上場を可能にしたことを評価したい。

 上場を巡って焦点となったのが民営化時、赤字ローカル線の維持のために国が拠出した3900億円の経営安定基金の扱いだ。

 財務省が国庫への返納を求めたのに対し、国交省は基金の運用益がなくなり、JR九州の収益が悪化すると主張した。調整の結果、基金を全額取り崩して、九州新幹線の施設使用料前払いや、借金返済に充てることになった。

 基金で債務を削減し、上場後の経営安定に役立てるのは、やむを得ない判断だろう。

 上場後、運用益の穴をどう埋めるかが大きな課題となる。

 JR九州は、豪華寝台列車「ななつ星」など、ユニークな取り組みで全国的に注目されている。それでも、鉄道事業は民営化以降、一度も黒字になっていない。本業のテコ入れが求められる。

 乗客の増加を目指し、自治体とも連携した新たな観光資源の掘り起こしが必要になろう。アジアなど海外への情報発信を充実させ、観光客誘致を加速したい。

 「地域の足」をしっかり確保することは、鉄道の重要な使命だ。国交省が、完全民営化後もローカル線の廃止に歯止めをかける指針を示すのは、当然と言える。

 経営効率化と公共交通機関としての役割について、どうバランスを取っていくかが問われる。

 数千億円とされる株式売却益は法律で、旧国鉄職員の年金財源に充てることになっている。

 ところが与党内には、法改正をして、整備新幹線の建設費に使うよう求める声もある。厳しい財政事情を考えれば、貴重な株式売却益の安易な流用は慎むべきだ。

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