天声人語 20150216

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使用頻度の高い言葉ほど手垢(てあか)に汚れ、切れ味が鈍麻し、意味が曖昧(あいまい)になる。そう言って井上ひさしさんがまず挙げていた言葉が「平和」だった。たしかに敗戦このかた使い古されて、言葉本来の力がすり減ってしまった感がつよい▼自戒を込めてだが、「平和の大切さ」といった紋切り型も注意がいる。使い勝手も耳あたりもよく、とりあえず人をうなずかせるのに便利だ。しかし往々に、そこから先の思考を止めさせてしまう▼鈍麻した言葉を、言葉で磨き直す試みといえよう。東京の出版社コールサック社が『平和をとわに心に刻む三〇〇人詩集』に収録する詩を公募している。戦後70年の節目、平和を心に呼び覚ます一冊にしたいそうだ▼小さな出版社だが骨のある詩集を作ってきた。『原爆詩一八一人集』や『大空襲三一〇人詩集』。東日本大震災後には『命が危ない 311人詩集』。去年は『水・空気・食物300人詩集』を出した。ほかにもある。どれも有名無名の詩人の作品を収めている▼たとえば、〈もしも あの戦争の時代に生きていたら/まちがいなく/「立派な」国民であっただろうと/わたしは苦く 確信する〉。『原爆詩』にある戦後生まれの宮本智子さんの一節が、同世代の我が胸を突いてくる▼「こんな時だからこそ平和の持つ重みを取り戻したい」と編者の鈴木比佐雄さんは言う。募集は4月末までで夏に刊行予定。掲載には参加費をお願いするそうだ。多彩な詩群が照らし出す「平和」に期待する。
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