日经社説 20150428 核軍縮への機運再び高めよ

来源:互联网 发布:世界经济数据网 编辑:程序博客网 时间:2024/05/04 04:06

世界の核不拡散体制の礎となる核拡散防止条約(NPT)の再検討会議がニューヨークの国連本部で27日開幕し、1カ月近くに及ぶ議論が本格化する。今年は広島、長崎への原爆投下から70年の節目でもある。核軍縮への取り組みを着実に進める必要がある。

 同会議は5年ごとに開き、核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用を話し合う。その成果を最終文書として採択できるかが焦点だ。

 5年前の会議は、米国のオバマ大統領が「核兵器なき世界」を唱えるなか、核大国の米ロが戦略核弾頭の配備数を各1550発まで削減する新たな条約に調印した直後に開かれた。追い風もあって10年ぶりに最終文書を採択した。

 今回はイランの核問題をめぐる枠組み合意を除けば、一転して逆風下にある。核軍縮を主導すべき米ロの関係が、ウクライナ危機で大きく冷え込んだからだ。ロシアのプーチン大統領は米国への対抗意識を強め、「我々は偉大な核大国」と公言してはばからない。

 中国の対応も遺憾だ。NPTは米ロ英仏中の5カ国を核兵器保有国と定めるが、中国だけが核戦力を増強しているようだ。同国は核兵器の保有数を公表せず、透明性にも問題がある。

 核保有国が核軍縮に取り組まなければ、NPT体制は一段と形骸化しかねない。現に北朝鮮は国際社会の批判を無視して核開発を続け、核弾頭の小型化も進める。事実上の核保有国であるインドやパキスタン、イスラエルがNPTに加わる可能性もほぼ皆無だ。

 世界には1万6000発を超える核弾頭が存在し、9割以上を米ロが保有する。いくら関係が冷え込んだとはいえ、米ロには誠実に核軍縮を進める責務がある。

 米国は2年前、配備済みの戦略核弾頭を各1000発程度に減らすようロシアに呼びかけた経緯がある。まずは両国が歩み寄り、いずれは中国を含む多国間の核軍縮交渉につなげるべきだ。会議では日本も主導して、核軍縮への機運を再び高める議論を求めたい。

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