日经社説 20150520 患者本位で大学病院の改革を

来源:互联网 发布:java正则表达式 可选 编辑:程序博客网 时间:2024/04/30 08:39

厚生労働省が全国の大学病院などに対して立ち入り検査を始めることになった。群馬大病院や東京女子医大病院で患者の死亡事故が相次いだことを受けた措置だ。医療安全にかかわる問題点を徹底的に洗い出し、患者本位の病院改革を進めてほしい。

 今回の検査は高度な医療を提供しているとして厚労省から「特定機能病院」の承認を受けている病院を対象とする。全国で86病院あり、そのほとんどを大学病院が占める。承認を受けると、診療報酬の優遇があり、病院の収入が増えるなどの利点がある。

 群馬大病院も東京女子医大病院も特定機能病院だが、その承認は近く取り消される。重大な事故を起こした責任を踏まえれば当然だろう。この2つの病院に限らず、厚労省は高度医療を提供している病院について、安全管理体制上の構造的な問題がないかを立ち入り検査で調べたい考えだ。

 群馬大病院では1人の医師による肝臓の腹腔(ふくくう)鏡手術で8人の患者が死亡していた。腹部に小さな穴を開け、そこから医療器具を体内に入れ、手術する先進的な手法だ。東京女子医大病院では、人工呼吸中の小児への投与が禁止されているはずの鎮静剤が使われ、小児患者が死亡した。

 検査で調べるべき点はいくつもある。新しい技術を患者に使う際に十分な議論をしているか、事故が起こったときすぐにその原因を検証し、再発防止に努めているかなどだ。薬の情報はもちろんのこと、診療科の壁を越えて様々な情報を周知徹底できる体制ができているかもポイントだろう。

 東京女子医大病院は2001年にも女児が心臓手術の事故で亡くなり、特定機能病院の承認取り消し処分を受けた。その後再承認されたわけだが、過去の教訓は十分生かされなかったともいえる。承認基準のあり方も問われそうだ。

 最後の頼みの綱として大学病院を受診する患者も多い。今回の検査を契機に、患者の期待を裏切らない病院をつくるべきだ。

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